旅スピ!旅スキ!世界ブラブラ旅 ◆ トルコ篇
「ノアの方舟」伝説のアララト山にど素人が登ってみた♥
北條明子 著
HODO BOOKS Kindle版
トルコの東の果てにそびえる「アララト山」は標高5137mのトルコで一番高い山。世界で憧れる名峰の一つとして、今なお、世界中から多くの登山家が登頂を目指している。
遥か昔、「ノアの方舟」が漂着した場所という言い伝えがあり、旧約聖書にも登場する由緒正しいお山なのだ。
「アララト山に登ってみよう!!」
著者であるアキが夫のツヨポンとトルコを旅行中、アララト山の麓となるトルコのドウベヤズットで偶然出会った登山ガイド・ロハトと話が盛り上がり、「じゃあ来年アララト山に一緒に登ろう!」「うん、そうしよう!」の安請け合い(笑)が1年後、現実のものとなった‥。
アララト山ツアーを企画し、参加者を募集するも、マニアックすぎて人が来ず。
何とか集まってくれた2名の勇敢かつ物好きな女性たちと著者夫婦という、登山家でもアスリートでもないド素人四人組が、なぜか突然、本気で、聖なるアララト山登頂に挑戦することになったのだ!
果たして、神様のすむアララト山は彼らに微笑むのか? それとも‥?
エリ村から第一キャンプ、第二キャンプ、頂上アタック、下山までの4泊5日をおもしろおかしく書き綴る。読んでいるうちに、自分も登場人物となり、一緒にハーハーゼーゼーしながら岩山を進んでいくような感覚になるかも(笑)。
それが狙いです! 一緒にみんなで疑似登山を楽しめる仕様になっています。
素人ながら、アララト山に挑み、ヘロヘロになりながら、ときには珍事件やハプニングが巻き起こり、笑いあり、涙あり、感動あり、嘆きや愚痴あり、のドタバタストーリー!!
<あとがきの一部より>
ある時、ある人から「なぜ海外に旅するの?」と聞かれた。
その人たちは「自分探し」なのかと思っていたらしいが、全然違うのだ。そもそも「海外旅=自分探し」の意味が未だによく分からないのだけど、自分は多分どこにいても見つかるんじゃないかな~(笑)。もしくは、どこにいても見つからないんじゃないかな~。
あくまで私の場合ですが、海外放浪するのは、「自分探し」でなく、「行きたいから行く」だけ。世界一シンプルかつ明快な理由なのです。
旅の目的として力づくの大義名分はつけられるけれど、結局、楽しいからなのです。自分の中に刻まれたDNAの何かが喜んでいるのです。
世界中の僻地や辺境、赤土、岩山、怪しい路地裏、道端に座ったやる気のない親父さんたち、変な風習、不気味な形の食べ物、現地のみなさんとの丁々発止なもめ事やら助けられた感動ストーリー、海外で出会った旅人さんたち、その他もろもろすべてをひっくるめて愛しいし、全部を体験したいし、とにかく自分の心が喜んでいるのです。単純にそれが一番の理由だと思う。
そして、命がある限り、世界中に今生きている素敵な人たちと出会いたい。そして、もっと面白いことを共有して、体験して、発信していきたい。ぶっちゃけ、自分探しをしている暇はないのだ(笑)。
探してもいいけど、正直、答えが出るとは思えない。
2020年初頭から世界が突然遮断され、海外との行き来ができなくなってしまった。実は、私たち夫婦は、その年の2月、イギリス人の旅友と世界最後の桃源郷と称賛されるフンザを訪ねるためパキスタンに飛ぶ予定だった。が、コロちゃん登場により、悩んだ末にキャンセル。そもそもイギリス人の友人は自国から出られない状況に陥ってしまったし、私の直感としても、小さな黒い雲がもっと大きくなる予兆があったからだ。
そうこうしているうちに、まさかの二年に及ぶ日本缶詰状態を体験しているけれど、地球上のみんなが同じ状況を共有し、みんながそれぞれに頑張っているのだから、「地球さん、今までごめんなさい」とひれ伏して謝り、生かしていただいていることに心から感謝し、とにかく地球全体で収まる日を祈るのみ。
ずっと温めていたこの原稿を突然出そうと思ったのは、自分の記憶を引っ張り出して、書きながらアララト山を追体験したかったことと、再びこんな無謀で楽しい旅がすぐにできるようになると信じているから。
世界が一刻も早く明けますように!
世界中の人たちがみんな元気でいますように!
ただそれだけを祈って、足腰鍛えて、アララト山再チャレンジの日を待つとしましょう。
Zoomもめちゃくちゃ便利でありがたいツール。オンラインを使えば、大概のことはできるし、直接会わなくてもよい時代になってきた。
でも、でも、でも!!
リアルにこの世界を見る。体験する。人と交わる。笑う。泣く。怒る。喧嘩する。ハグする。
これに勝さるものを私は知らない。